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広域通信制

通信制高校の就学支援金はいくら?1単位13,668円の上限と計算式【2026年度】

更新日:2026-11-03

このページは、通信制高校の就学支援金を、文部科学省の資料(令和8年度)と政府広報・東京都の公式ページで確かめてまとめたものです(取得日 2026年11月2日)。学校の例は、文部科学省の通信制高校の一覧(令和8年4月1日時点・349校)にある学校から選び、学校の公式ページを1校ずつ開いて写した記載だけを使っています(取得日 2026年11月2日)。

この記事で分かることは3つです。1つ目は、2026年度の就学支援金が私立・公立、定額・単位制でそれぞれいくらまで出るか。2つ目は、1単位の授業料と上限から、授業料のうち自分で払う分がどう決まるかの計算式。3つ目は、支援金が充てられない費用と、転入・申請のときに気をつけることです。

学校ごとの「支援金を引いたあとの学費」は、このサイトでは計算しません(編集方針)。代わりに、学校が自分で書いている例をそのまま引用し、計算式は一般の形で示します。

通信制高校の就学支援金はいくらか

2026年度(令和8年度)の通信制高校の就学支援金は、私立なら月28,100円(定額授業料)か1単位13,668円(単位制)が上限です(文部科学省)。

公立の通信制は月520円(定額授業料)か1単位336円(単位制)が上限です。どちらも所得制限はなく、支給は授業料の範囲内で、支給期間は48か月まで、単位制は年30単位・通算74単位までで数えます。

出どころは、文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(PDF)の3ページ「支給限度額(年額)」と4ページ「支給期間・支給限度額」です。所得制限の撤廃は、同じ資料の1ページと、政府広報オンライン「令和8年度から、高校生等の修学支援が新しくなりました」にも書かれています。

私立の通信制:定額と単位制で上限の書き方が違う

私立の通信制高校の授業料には、1年間(または1か月)の額で決めている「定額」と、1単位ごとの額で決めている「単位制」の2つの形があります。就学支援金の上限も、この2つで書き方が分かれます。定額の学校は月28,100円まで、単位制の学校は1単位13,668円までです。

政府広報や文部科学省のリーフレットにある「私立高校(通信制)33万7,200円」は、文部科学省「新制度の概要」3ページの「支給限度額(年額)」の値で、定額授業料の上限(月28,100円)の12か月分と同じ額です(28,100円×12か月=337,200円)。単位制の学校は、この年額ではなく「1単位13,668円×履修する単位数」で上限が決まります。ここは「単位制の場合も年337,200円が上限」と読み違えやすいところなので、後の「計算式」の節でくわしく書きます。

このサイトが公式ページを開いた学校にも、両方の形がありました。学校の学費表に「1単位◯円」と書いてあれば単位制、「授業料(年額)◯円」と書いてあれば定額です。たとえば明聖高等学校は学費表に授業料を年額で書いており、キラリ高等学校は「1単位=13,668円」と単位の額で書いています(明聖高等学校は令和8年3月現在の学費表、キラリ高等学校は2027年度4月入学の学費例・どちらも学校の公式ページ・取得 2026年11月2日)。

区分定額授業料の場合単位制授業料の場合支給期間
私立の通信制月28,100円(年337,200円)1単位13,668円(年30単位・通算74単位まで)48か月
公立の通信制月520円(年6,240円)1単位336円(年30単位・通算74単位まで)48か月
(参考)私立の全日制月38,100円(年457,200円)1単位18,528円(年30単位・通算74単位まで)36か月

出どころ:文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(令和8年度)3ページ・4ページ・取得 2026年11月2日。年額は資料3ページの「支給限度額(年額)」の値。支給は授業料の範囲内(政府広報オンライン「年間の支給限度額は授業料の範囲内となります」)。

公立の通信制:上限336円と、実際の授業料

公立の通信制高校の上限は、定額なら月520円、単位制なら1単位336円です。文部科学省の事務処理要領は、公立の通信制のこの2つの額について、令和8年度の改正で引き上げの対象ではなく、そのままの額だと書いています。文部科学省Q&A(問8)は、公立の通信制には「月額520円の授業料相当額」が支給されると説明しており、公立の上限は授業料に相当する額として決められています。

上限と、学校が実際に決めている授業料は別の数字です。千葉県立千葉大宮高等学校は「県立高校通信制課程 履修1単位当たり330円」と書き、例として「1年間で24単位履修する場合 330円×24単位=7,920円」を挙げています(学校の修学支援の案内PDF・令和8年度・取得 2026年11月2日)。埼玉県教育委員会も、県立高校の通信制課程の授業料を「330円(履修単位1単位につき)」、就学支援金の支給金額を同じく「330円(履修単位1単位につき)」と書いています(埼玉県教育委員会のページ・令和8年4月1日現在・取得 2026年11月2日)。

支援金は授業料の範囲内で出るので、授業料が1単位330円なら支援金も1単位330円です。上限の336円との差の6円が別にもらえるわけではありません。公立の通信制では、授業料の部分は就学支援金でほぼ埋まり、残るのは教科書代・学習書代・生徒会費などの授業料以外の費用、という形になります。授業料以外の費用には、後の「授業料以外の支援」の節の給付金が使える場合があります。

全国349校のうち、どの上限が当たるか

文部科学省の通信制高等学校情報発信サイトの一覧(令和8年4月1日時点)には、通信制の課程を置く高校が349校あります。設置者で分けると、公立82校・私立252校・株式会社立15校です。自分が考えている学校がどれに当たるかで、使う上限の表の行が変わります。

設置者広域狭域合計当たる上限
公立2校80校82校公立の通信制(1単位336円・月520円)
私立120校132校252校私立の通信制(1単位13,668円・月28,100円)
株式会社立15校0校15校学校に確認(下の本文)
合計137校212校349校―

出どころ:文部科学省 通信制高等学校情報発信サイトの一覧(令和8年4月1日時点・詳細検索用エクセル)・取得 2026年11月1日。広域は複数の都道府県から入学できる学校、狭域は本校のある都道府県を中心に入学できる学校。

株式会社立の15校が、就学支援金でどの上限に当たるかは、このサイトでは文部科学省の資料で確かめられていません。株式会社立の学校の1つである第一学院高等学校は、自校のページに「1単位あたり13,668円まで(年間上限30単位まで)支給されます」と書いています(学校の公式ページ・取得 2026年11月2日)。株式会社立の学校を考えている場合は、資料請求のときに上限の額を学校に確かめてください。

就学支援金のしくみ:国が授業料に充て、学校が受け取る制度

高等学校等就学支援金は、高校生などの授業料に充てるために国が支給するお金です。文部科学省のQ&Aは、生徒がその経済的な状況にかかわらず、自らの希望に応じた教育を受けられるよう、授業料の一部または全部を社会全体で負担して支援する制度だと説明しています。返済は要りません。

対象になる学校と人

対象の学校は、国公私立の高等学校(全日制・定時制・通信制)、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部、高等専門学校の1〜3年、専修学校の高等課程などです(文部科学省Q&A)。通信制高校は全日制と同じく対象で、通信制だけが別の制度になっているわけではありません。違うのは上限の額と支給期間です。

対象の人は、これらの学校に在学し、日本国内に住所がある生徒のうち、国籍・在留資格の要件に当たる人です。要件は、①日本国籍、②特別永住者、③永住者、④日本人の配偶者等、⑤永住者の配偶者等、⑥定住者のうち将来永住する意思があると認められた人、⑦家族滞在のうち日本の小学校と中学校を卒業し、高校卒業後に日本で就労して定着する意思があると認められた人、の7つです(文部科学省「新制度の概要」1ページ)。

一方で、高校をすでに卒業した人や、通信制・定時制で48か月(全日制は36か月)を超えて在学している人、専攻科・別科の生徒、科目履修生・聴講生は対象になりません(文部科学省Q&A)。在学期間の上限は、後の「転入・編入・中退後」の節でくわしく書きます。

住んでいる都道府県とは別の都道府県の学校に通う場合も、就学支援金は国の制度なので対象になります(文部科学省Q&A・問6)。広域通信制の学校には、本校とは別の都道府県にある連携協力施設に通う生徒もいます(事務処理要領 PDF 30ページにも、その前提で支給の流れが書かれています)。その場合も、国の就学支援金の上限は同じ表のとおりです。都道府県が独自に上乗せする支援だけは、住んでいる都道府県か学校のある都道府県かで要件が変わるので、後の「都道府県の上乗せ」の節で書きます。

お金の流れ:学校の設置者が代わりに受け取る

就学支援金は、生徒や保護者が直接受け取るお金ではありません。学校の設置者(都道府県や学校法人など)が生徒に代わって受け取り、授業料に充てます(文部科学省Q&A・問11)。学校の授業料と就学支援金の差額は、生徒や保護者が払います。

お金を出すのは国と都道府県です。令和8年度からの新制度では、公立・私立の高校等について、国が4分の3、都道府県が4分の1を負担する形になりました(文部科学省「新制度の概要」1ページ)。これまでは国が全額を負担していました。受給資格の認定などの事務をするのは都道府県です。

このため、申請の書類や締め切り、提出先は、学校と、学校がある都道府県によって違います(文部科学省Q&A・問9)。法律では、申請は学校の設置者を通じて「当該高等学校等の所在地の都道府県知事」(公立は都道府県教育委員会)に対して行うと定められています(事務処理要領 PDF 47ページの法の条文)。広域通信制の学校について要領は、他の都道府県にある連携協力施設に通う生徒の分も含めて、すべて設置認可をした都道府県から本校を通じて支給すると書いています(要領 PDF 30ページ)。

返済は不要・対象は授業料だけ

就学支援金は返済の必要がありません(政府広報オンライン・文部科学省Q&A)。奨学金のように卒業後に返すお金ではなく、受給資格の認定を受けて在学しているあいだ、授業料に充てられます。

ただし、充てられるのは授業料だけです。入学金、施設費、教材費、スクーリングの費用、サポート校の費用などには使えません。通信制高校の学費表で、支援金が効くのは「授業料」の行だけだと覚えておくと読み違えが減ります。どの費用が対象外かは、後の「支援金が充てられない費用」の節にまとめました。

また、学校や都道府県が授業料の減免をしている場合は、減免された残りの授業料に就学支援金が充てられます。奨学金と就学支援金は別の制度なので、奨学金を受けても就学支援金は減りません。ただし民間団体の奨学金には併給を認めないものがあるため、それぞれの要綱で確かめるようにと、文部科学省Q&A(問17)は書いています。

2026年度に変わったことと、これから決まること

2026年4月から、就学支援金の制度は大きく変わりました。ここでは、法律の改正で決まったこと(確定)と、これから検証・見直しが予定されていること(未確定)を分けて書きます。年度が違う記事を読むと数字が合わないのは、主にこの改正のためです。

確定:所得制限の撤廃と、私立通信制の上限の引き上げ

改正された「高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(令和8年法律第8号)により、令和8年度から所得制限が撤廃されました。文部科学省の事務処理要領(新制度 第1版)のまえがきに、この改正法の番号が書かれています。世帯年収にかかわらず、要件に当たる生徒は支援を受けられます。

私立の通信制の上限も変わりました。令和2〜7年度の制度では、私立の通信制の上限は、世帯年収の目安が590万円未満なら年297,000円、590万円以上910万円未満なら年118,800円で、910万円以上は対象外でした。令和8年度からは、年収にかかわらず定額なら年337,200円(月28,100円)、単位制なら1単位13,668円です。

区分令和2〜7年度(年収590万円未満)令和2〜7年度(590万円以上910万円未満)令和8年度(年収にかかわらず)
私立の通信制297,000円118,800円337,200円
公立の通信制6,240円6,240円6,240円

出どころ:文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(令和8年度)5ページ【参考】令和2〜7年度の支給限度額(年額)と3ページ・取得 2026年11月2日。いずれも年額・定額授業料の場合。旧制度で年収910万円以上が対象外だったことは、埼玉県教育委員会のページの「令和8年度から、保護者等の所得に関する要件(世帯年収目安約910万円未満)は廃止」の記載で確かめた。

公立の通信制は年6,240円で変わっていません。変わったのは所得制限が無くなったことだけです。なお、令和7年度にあった「高校生等臨時支援金制度」は令和7年度末で終わったと、埼玉県教育委員会のページに書かれています。

新制度の対象外になる生徒への支援

新制度では、国籍・在留資格の要件が加わりました。このため、これまで対象だった外国籍の生徒の一部が、新制度の対象外になります。文部科学省Q&A(問5)は、その場合の支援を2つに分けて説明しています。

1つは在校生向けです。令和8年3月31日以前から在籍している在校生は、改正法の経過措置により、所得に応じて旧制度と同等の水準の支援を受けられます。もう1つは新入生向けで、令和8年4月1日以降に入学した新入生(在留資格「留学」の人を除く)は、世帯年収などの要件を満たせば、所得に応じて「高校生等・新修学支援」の対象になります。

どちらも、所得制限のない新制度とは違い、世帯年収による区分が残ります。文部科学省は「高等学校等就学支援金・新制度の対象外となる生徒への支援リーフレット」を出しているので、当てはまるかもしれない場合は、そのリーフレットと学校の案内を確かめてください。屋久島おおぞら高等学校のように、学校のページに新修学支援の計算例を載せている学校もあります。

予定と要求段階:3年以内の見直しと、令和9年度の概算要求

新制度は、ずっと今の形で続くと決まっているわけではありません。文部科学省「新制度の概要」1ページには、「新たな制度の検証については、法施行後、3年以内の期間に十分な検証を行った上で、必要な制度の見直しを実施」と書かれています。見直しの中身はまだ決まっていません。

令和9年度の予算は、まだ要求の段階です。文部科学省の令和9年度概算要求の資料では、高等学校等就学支援金等の要求・要望額が5,817億円(令和8年度予算額5,824億円)で、私立の通信制の支給上限額337,200円の記載も令和8年度と同じです。ただし概算要求は予算が決まったものではないので、令和9年度の上限が同じになるとはまだ言えません。

このページは、制度が変わったときに数字を直し、更新日を改めます。入学が令和9年4月以降になる人は、入学する年度の学校の学費表と、文部科学省の資料の年度を必ず確かめてください。学校のページにも、2026年度の就学支援制度の説明に「2027年度は条件や金額が異なる場合がございます」(キラリ高等学校・取得 2026年11月2日)のような断り書きが付いていることがあります。

計算式:1単位の授業料と上限で、授業料の残りが決まる

単位制の通信制高校では、就学支援金の額は「何単位を履修するか」と「1単位の授業料がいくらか」で決まります。ここでは、文部科学省の事務処理要領(新制度 第1版)の第II部「1単位当たりの授業料を設定している場合の特例」(PDFの31〜33ページ)に書かれている決め方を、そのまま式にします。学校ごとに当てはめた額はこのサイトでは作りません。

式:1単位の支援額は、授業料と13,668円の低いほう

私立の通信制で単位制の学校の場合、1年間(12か月)通して在学するときの支援金の上限は、次の式で表せます。

就学支援金の額 = 「1単位の授業料」と「13,668円」の低いほう × 年間に履修登録する単位数(30単位まで)

授業料の残り(自分で払う分)は「授業料の合計 − 就学支援金の額」です。1年間通して在学し、期限内に申請した場合は、1単位の授業料が13,668円以下なら、30単位までは授業料の部分がちょうど支援金で埋まります。1単位の授業料が13,668円を超える学校では、1単位ごとに超えた分が残ります。年30単位を超えて履修した分も支援金の対象外です。

事務処理要領は、実際の計算を月ごとに行うと書いています。算定方法は「1単位あたり支給額(月額)×履修単位数(端数切捨て)」で、1単位あたりの月額は「13,668円÷履修期間」です。学校が13,668円より低い授業料を決めている場合は、「その授業料額÷履修期間」で計算します。履修期間が12か月なら、上の式と同じ結果になります。

上限を超える学校の例は、学校の記載で確かめる

1単位の授業料が13,668円を超える学校の例として、屋久島おおぞら高等学校は公式ページに、令和8年度の例を次のように書いています。「13,668円÷12ヶ月(4~3月)×24単位×12ヶ月(4~3月)=年間就学支援金 328,032円」「授業料(15,000円×24単位)-328,032円= 31,968円の請求」(屋久島おおぞら高等学校「高等学校等就学支援金制度」・令和8年度・取得 2026年11月2日)。

同じページには「※この金額に入学金と施設管理費を合計した金額がご案内になります」とも書かれています。つまり、31,968円は授業料の部分だけの残りで、入学金や施設管理費は別にかかります。支援金の計算と、学校に払う合計額は分けて読む必要があります。

反対に、1単位の授業料が13,668円以下の学校では、1年間通して在学し、期限内に申請した場合は、30単位までは授業料の部分が支援金でまかなえる計算になります。ただし、どの学校でも授業料以外の費用は残ります。このサイトでは、学校が書いていない「支援金を引いたあとの額」は計算して載せません。学校が書いていない場合は、資料請求のときに学校に聞いてください。

年額337,200円との関係

私立の通信制の上限として示される「年337,200円」は、文部科学省「新制度の概要」3ページの表では「支給限度額(年額)」の私立・高等学校通信制の欄の値で、同じ資料の4ページの定額授業料の上限(月28,100円)を12か月分にした額と一致します。単位制の上限は、4ページに「13,668円/単位(通算74単位、年間30単位まで)」と別に書かれています。

事務処理要領(新制度 第1版・PDF 31〜33ページ)は、単位制の上限について、定額授業料の場合の総支給額(支給限度額×支給期間の上限)を超えない範囲内で、履修単位数に応じて定めると書いています。13,668円は「28,100円/月×36月÷74単位を12で割り切れる数に切り下げ」た額です。さらに要領の算定例2(通信制課程・40単位登録・履修期間12月)では、支給限度額を「13,668円÷12月×30単位=34,170円」(月額)と示しています。この月額を12か月分にすると、30単位で年410,040円まで(34,170円×12か月)になります。ただし、実際に認定される額を決めるのは都道府県で、学校が案内する見込み額は学校ごとに違うので、自分の場合の額は学校に確かめてください。

このサイトが確かめた文部科学省の資料(新制度の概要・Q&A・事務処理要領)と政府広報の範囲では、単位制の上限を年337,200円で止めるという文言は見当たりませんでした。ただし、支給は授業料の範囲内です。要領の算定例2でも、授業料の月額26,666円が支給限度額34,170円より低いため、支給額は26,666円になっています。学校の記載にも、キラリ高等学校の2027年度4月入学の学費例(通信タイプ)で、25単位・1単位13,668円の授業料341,700円に対して「△就学支援金 △341,700」と書かれた例があります(学校の公式ページ・取得 2026年11月2日)。

なお、東京都の「私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金」のページには「就学支援金等(国の制度)と合わせて、最大で33万7,200円まで助成されます」とあります。これは都の助成金の上限の書き方で、国の就学支援金の単位制の上限とは別の話です。都の助成金は、後の「都道府県の上乗せ」の節で書きます。

3つの上限:年30単位・通算74単位・48か月

単位制の就学支援金には、上の1単位の上限のほかに3つの上限があります。1つ目は年間30単位です。1年に30単位を超えて履修登録しても、支援金の対象は30単位までです(事務処理要領 第II部「年間の支給対象単位数の上限」)。

2つ目は通算74単位です。高校の卒業に必要な74単位が上限で、事務処理要領は「履修登録単位(以下「履修単位」という。)数であり、修得単位数ではない」と書いています。つまり、単位を修得できなかった科目も、履修登録した単位として74単位の中に数えられます。「修得した単位×単価」で計算するのではない、という点は年度途中の転学で特に効いてきます。

3つ目は支給期間の48か月です。事務処理要領は「支給期間は、履修単位の有無に関わらず、在学していればカウントする」と書いています。休学する場合は、支給停止を申し出れば、そのあいだの支給期間の数えを止められます(文部科学省Q&A・問14)。申し出をしなかった場合は、休学中の支給額は0円として計算され、残りの支給期間からその期間が差し引かれます。

支援金が充てられない費用

就学支援金は授業料に充てる支援金なので、学費表のうち授業料以外の行には効きません。「授業料が実質無償」と書かれていても、学校に払うお金が0円になるとは限らないのはこのためです。ここでは、学校の公式ページに対象外と書かれている費用を並べます。

入学金・施設費・教材費・スクーリングの費用

屋久島おおぞら高等学校は「入学金・施設管理費・スクーリング代金また、サポート校の学費は対象外」、第一学院高等学校は「入学金/施設設備費/特別指導料/指導関連費は対象外」と、それぞれ自校のページに書いています(学校の公式ページ・取得 2026年11月2日)。費目の名前は学校ごとに違いますが、この2校では、入学のときに1回払うお金、施設や設備のお金、指導やスクーリングのお金が対象外と書かれています。

キラリ高等学校の2027年度4月入学の学費例(通信タイプ)では、入学金40,000円・施設設備費30,000円・教育運営費30,000円・教育充実費24,000円・諸経費13,200円の小計137,200円が、就学支援金を適用した場合の初年度納入合計として書かれています。このほかに「年間で教科書・学習書代約8,000円と災害給付掛金200円」がかかるとも書かれています(学校の公式ページ・取得 2026年11月2日)。

スクーリング(本校などでの面接指導)に泊まりがけで行く学校では、宿泊費や交通費もかかります。公立の学校でも、教科書・学習書代、生徒会費などは自分で払います。この記事で引用した学校の記載だけでも、授業料以外の費用の額は学校ごとに大きく違うので、学費表で行ごとに確かめてください。

サポート校・技能連携校の費用

文部科学省Q&A(問7)は、通信制高校とは別にサポート校に通う場合について「サポート校については、就学支援金制度の対象ではありません。通信制高校の授業料については、就学支援金制度の対象となります」と答えています。サポート校に払う授業料や受講料には、支援金は充てられません。

学校の書き方でも同じです。キラリ高等学校は「高等学院(技能連携校)の授業料等は本制度の対象外となります」と書き、学費表でもキラリ高校の欄と高等学院の欄を分けています。N高等学校も、週5・週3・週1+コースや提携スクールの授業料等は「支給見込額の先引き」の対象外で、「就学支援金」の支給対象外だと書いています(いずれも学校の公式ページ・取得 2026年11月2日)。

通学型のコースを選ぶと、高校の授業料とは別に、コースやサポート校・技能連携校の費用が大きく加わることがあります。資料請求で学費表をもらったら、「高校の授業料」と「コース・サポート校・技能連携校の費用」が別の行になっているか、どちらに就学支援金が効くのかを確かめてください。

学校の学費表のどの欄に効くか

学費表を読むときは、まず「授業料」の行を探し、その授業料が定額か1単位ごとかを確かめます。次に、学費表の合計が支援金を引く前の額なのか、引いたあとの額なのかを確かめます。学校によっては、同じ表に「就学支援金適用」「就学支援金適用外」の2つの列を並べています。

支援金を引いたあとの額だけを大きく書いている学校もあります。その場合も、内訳を見れば授業料以外の費用がいくら残っているかが分かります。逆に、支援金の前の額だけを書いている学校では、授業料の行から自分で上の式を使って見当をつけることになります。

学費表に年度が書かれているかも確かめます。令和7年度以前の学費表は、所得制限があったころの支援金で計算されていることがあるので、数字をそのまま比べないでください。年度の記載が無い学費表は、学校に年度を聞いてから使うのが安全です。

もう1つ気をつけたいのが、費用の名前です。学校によって、授業にかかるお金を「授業料」ではなく「受講料」「単位認定料」「履修料」などの名前で書いたり、授業料と指導料・コース料を1つの行にまとめたりしていることがあります。就学支援金が充てられるのは、高校の授業料にあたる部分だけです。名前だけでは分からない行があれば、「この行のうち、就学支援金の対象になる授業料はいくらか」と学校に聞いてください。学校が答えた額を、上の計算式の「1単位の授業料」に当てはめれば、授業料の残りの見当がつきます。

学校によって違う、支援金の引かれ方

就学支援金は学校が受け取って授業料と相殺するものですが、いつ相殺するかは学校によって違います。文部科学省Q&A(問12)も、基本的には授業料を集めるときに差し引くが、学校によっては先に授業料を全額集め、あとで差額を還付する方法をとっていると書いています。

先に引いて請求する学校

N高等学校は「当校では、就学支援金の支給見込額を授業料からあらかじめ先引きした金額を1次請求として案内します」と書いています。行政の審査の結果、見込額と実際の支給額に差額が出た場合は、差額分を2次請求として、次年度の学習開始の約2か月前をめどに案内するとしています(学校の公式ページ・取得 2026年11月2日)。

第一学院高等学校は「入学手続き時には、就学支援金相当額をあらかじめ差し引いた額(当校にて立て替え)を納入いただきます」と書いています(学校の公式ページ「入学案内」・取得 2026年11月2日)。キラリ高等学校も、保護者から出された書類をもとに概算で就学支援金を出し、授業料と相殺してから請求し、県の認定結果と概算額に差がある場合は、さかのぼって学費の徴収や還付をすることがあると書いています(学校の公式ページ・取得 2026年11月2日)。

先に引く方式は、入学のときに払う額が小さくて済みます。その代わり、申請をしなかったり、審査の結果が見込みと違ったりすると、あとから差額を請求されます。N高等学校は、先引きを受ける場合は入学後に必ず就学支援金の申請手続きが要ると書いています。先に引かれていても、申請は自分でする必要があるということです。

先に引く方式で、あとから差額を請求されるのはどんなときかも、学校のページに書かれています。N高等学校の注意点には、申請の手続きをしない場合、他の学校ですでに就学支援金を利用していたことなどが申請後に分かった場合、審査の結果で見込額を満額受け取れなかった場合、学期の途中で退学や転学をする場合が、差額の2次請求の対象として挙げられています(学校の公式ページ・取得 2026年11月2日)。年度の途中で別の学校に移る可能性がある人は、先に引かれた分をあとで払う場合があることを知っておくと、家計の予定を立てやすくなります。

いったん払い、あとで戻る学校

千葉県立千葉大宮高等学校は、授業料は入学等の手続きの際に案内し全額一括納金としたうえで、「年度末に本校在籍期間が確定した後、申請書に添付した口座へ振込みを行います」と書いています(学校の修学支援の案内PDF・令和8年度・取得 2026年11月2日)。公立の通信制でも、授業料をいったん払い、支援金相当額があとで戻る方式があるということです。

同じ学校の中でも、入学の形によって方式が変わる例があります。N高等学校の2027年度の募集要項(第2版・2026年10月発行)5ページの注意事項には、転編入生について「支給見込額の先引き対象外です。入学手続き時に当該年度分の学費を全額納入し、支援金は国の支給時期に合わせて後日還付されます」と書かれています(学校の公式PDF・取得 2026年11月2日)。新入生は先に引く方式でも、転入・編入では全額をいったん納める、ということです。転入を考えている人は、自分の入学の形でどちらの方式になるかを学校に確かめてください。

文部科学省の日本国籍の方用リーフレットにも「学校により、高等学校等就学支援金の支給決定までの間、授業料を徴収し、就学支援金相当額を後日還付する場合があります」と書かれています。同じリーフレットは、経済的に困難な家庭には授業料徴収の猶予措置などを利用できる場合もあるとして、詳細は学校に問い合わせるよう案内しています。

あとで戻る方式では、入学のときにいったん授業料の全額を用意する必要があります。いつ戻るかは学校によって違うので、文部科学省Q&A(問12)も、還付の時期は学校に確かめるよう書いています。家計の予定を立てるなら、資料請求の段階で「払う時期」と「戻る時期」の両方を聞いておくと安心です。

学費表に支援金後の額を書く学校・書かない学校

このサイトが2026年11月1日に公式ページを開いた10校では、支援金を引いたあとの額を学費表や例に書いていた学校が6校、制度の説明だけで引いたあとの額を書いていなかった学校が4校でした。書いていなかった4校は、公立の3校と、株式会社立の1校です。

書いていない理由は、どの学校もページに書いていません。公立の3校は道立・県立の学校で、当たる上限は上の「公立の通信制」の節の1単位336円です。株式会社立の1校は、支援金の上限(1単位あたり13,668円まで)と、入学手続きのときに支援金相当額を差し引いた額を納める方式を書いています。書いていないことは、その学校の支援金が少ないという意味ではありません。

書いている学校でも、何単位を履修した場合の額か、何年度の額か、どのコースの額かは学校ごとに違います。キラリ高等学校は25単位の例、屋久島おおぞら高等学校は24単位の例を書いています。数字を学校どうしで比べるときは、この前提をそろえてから比べてください。

転入・編入・中退後の学び直しのとき

全日制の高校から通信制に移る人や、一度高校をやめてから入り直す人は、前の学校での在学期間が支給期間に影響します。ここでは、文部科学省Q&Aと事務処理要領に書かれている数え方をまとめます。自分の場合の正確な月数は、転入先の学校と都道府県が判断します。

支給期間の計算:48月から全日制の在学月数×4/3を引く

全日制の支給期間は36か月、通信制は48か月です。全日制に在学したあとに通信制に移ると、全日制の1か月を通信制の4/3か月として数えます。文部科学省Q&A(問15)の例では、全日制に20か月在学してから通信制に移った場合、「48月-20月×4/3(端数切捨て)」で、通信制では22か月分が支給されます。

同じ式で計算すると、全日制の在学が12か月なら48-16=32か月、18か月なら48-24=24か月、24か月なら48-32=16か月が通信制での残りになります。全日制に長くいたほど、通信制で受け取れる月数は短くなります。

支給期間が卒業までに足りなくなる場合は、後で書く「学び直し支援金」の対象になることがあります。明聖高等学校も学費のページで、転編入生の場合は「過去の高等学校在籍期間により支給期間が減月される場合があります」と書いています。同じ注記には、これとは別に、支給を受けるには所定の手続きが必要で「未手続者は、支給対象外となります」とも書かれています(学校の公式ページ・令和8年3月現在の学費表・取得 2026年11月2日)。在籍期間で月数が減ることと、手続きをしないと支給されないことは、別々の注意点です。

前の学校で履修した単位の扱い

単位制の上限の通算74単位は、事務処理要領では「履修登録単位」で数え、修得した単位ではありません。要領の「転学に伴う就学支援金の取扱い」(PDF 29ページ)は、学年制の全日制から単位制の定時制に移る例について、74単位から「過去に履修期間を満了した科目の(実際に単位を修得したかを問わない)単位数」を除いた単位数を上限にすると書いています。この例では、前の学校で履修した単位は、取れたかどうかにかかわらず74単位から差し引かれます。

同じ箇所には、転学元が定額の授業料の学校で、転学先が単位制の学校の場合、転学元の学校が受給資格消滅通知書に履修単位数を書くか、履修単位数の分かる証明書を付けるとも書かれています。自分の場合に何単位が残るかを最終的に決めるのは、転学先の学校がある都道府県です。

学校の案内でも、前の学校の状況で支援金が減ることがあると書かれています。N高等学校は「年度途中の転入学の場合、前籍校での在籍月数や履修単位等により支給額が減額されます」と書き、第一学院高等学校は「過去在籍していた高等学校等での履修状況や在籍期間により、年度ごとに異なります」と書いています(いずれも学校の公式ページ・取得 2026年11月2日)。

転入を考えるときは、今の学校で何か月在学し、何単位を履修登録したかを、成績証明書や在学証明書で確かめておくと話が早くなります。資料請求や個別相談のときに、その数字を伝えて「支給期間と対象単位がどれだけ残るか」を学校に聞いてください。

年度の途中で転学したときの申請

事務処理要領(新制度 第1版・Q6-4)は、年度の途中に申請した場合について、申請した月の初日に受給資格を満たしていれば申請した月から(月の初日に在学していない場合は翌月から)支給し、「やむを得ない理由」に当たる場合を除いてさかのぼっては支給できないと書いています。転学先の学校で申請が遅れると、その間の月の分は支援金が出ない可能性があります。

やむを得ない理由として、要領は被災や長期の病気、DV・養育放棄などの家庭の事情で期限までに手続きに着手できない場合など、本人の責めに帰さない場合を挙げています。この場合は、理由が解消してから15日以内に申請すれば、申請できなくなった日の月から受給できるとされています(要領 PDF 18ページ)。判断するのは都道府県です。

学校によって書き方が違う点にも気をつけてください。千葉県立千葉大宮高等学校の案内PDFには「申請があった翌月分からの月額授業料の相当額が該当となります」と書かれています。自分の学校でどの月から対象になるかは、転学先の学校に入学の手続きと同時に確かめ、申請の書類をできるだけ早く出してください。

学び直し支援金:卒業まで最長24か月

高校を中退して入り直した人などで、卒業までに就学支援金の支給期間(通信制は48か月)を使い切ってしまう場合のために、「学び直し支援金」があります。文部科学省の資料「高校等で学び直す者に対する修学支援」は、就学支援金の支給期間のあとも、卒業までの最長12か月(定時制・通信制は最長24か月)、授業料にかかる支援金を支給すると書いています。

同じ資料では、新制度の対象者(日本国籍・特別永住者等)について「所得制限なし」「337,200円/年を上限として支給」とされています。対象は、高校等に在学した期間が通算して36か月を超える人で、在学期間の要件以外の受給資格を持つ人とされています。

実施するのは都道府県なので、案内の時期は地域や学校で違います。たとえば千葉県立千葉大宮高等学校の案内PDFでは、学び直し支援金は「令和8年度は案内していません。詳細が分かりしだいお知らせします」となっていました(取得 2026年11月2日)。対象になりそうな人は、入学先の学校か都道府県に問い合わせてください。

授業料以外の支援と都道府県の上乗せ

就学支援金は授業料だけの支援です。教科書代や教材費など授業料以外の費用には、国の「高校生等奨学給付金」があります。また、都道府県が国の制度に上乗せして独自の支援をしていることもあります。ここでは、文部科学省の資料で確かめた給付金と、公式ページで確かめた東京都の助成を例に書きます。

高校生等奨学給付金:通信制の給付額

高校生等奨学給付金は、教科書費・教材費・学用品費など、授業料以外の教育費を支援する返済不要の給付金です。令和8年度から対象が広がり、生活保護世帯・住民税非課税世帯に加えて、年収490万円未満の世帯まで対象になりました(政府広報オンライン・文部科学省リーフレット)。就学支援金と違い、こちらには世帯の所得による区分があります。

世帯の区分(年収の目安)国公立の通信制私立の通信制
住民税非課税世帯など(年収270万円未満)50,500円52,100円
所得割額100円以上105,500円未満(年収270〜380万円)16,830円17,370円
所得割額105,500円以上182,500円未満(年収380〜490万円)12,630円13,030円

出どころ:文部科学省「高校生等奨学給付金」リーフレット(PDF)2ページ「令和8年度 給付額(年額)」・取得 2026年11月2日。生活保護世帯は国公立32,300円・私立52,600円(全日制等と通信制で分けずに書かれている)。年収は両親のうち一方が働き、高校生1人と中学生1人の4人世帯の目安とされる。

給付額は全日制より通信制のほうが低く決められています。給付の対象になるかは保護者等の住民税の所得割額で判定され、生徒の国籍・在留資格によって対象となる世帯の範囲が異なるとされています。ご自身の所得割額は、マイナポータルの「わたしの情報」から確かめられるとリーフレットは案内しています。

給付金の申請は就学支援金と別

給付金は、就学支援金を申請しただけでは受け取れません。政府広報オンラインは「高等学校等就学支援金とは別々に申込みが必要です」と書き、給付金の支給を希望する場合は保護者からの申し込みが必要だとしています。申請の時期や提出先は都道府県や学校によって違います。

新入生は、4月から6月に一部早期支給の申請ができます(政府広報オンライン・文部科学省リーフレット)。また、在学中に保護者の病気やけが、本人の責めによらない離職などで家計が急変し、対象の世帯になった場合も支援を受けられます。リーフレットによれば、7月1日までに申請すれば年額、7月2日以降に申請すれば年額を月割りにした額が給付されます。

給付金の申請は、住んでいる都道府県か学校に問い合わせます。事務処理要領(PDF 19ページ)は、学校の所在地と異なる都道府県に住む生徒には、奨学給付金が住んでいる都道府県から支給されることも説明するよう求めています。広域通信制の学校に入る場合、就学支援金は学校のある都道府県、給付金は住んでいる都道府県と窓口が分かれることがあるので、案内が別々に来ると知っておくと取りこぼしが減ります。

都道府県の上乗せ:東京都の都認可外通信制の助成

文部科学省Q&A(問6)は、都道府県ごとに国の就学支援金に上乗せして独自の支援をしている場合があり、要件は制度ごとに違うと書いています。例として、東京都の「私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金」を取り上げます(東京都生活文化局のページ・取得 2026年11月2日)。

対象は、生徒と保護者が都内に住所があり、東京都以外の自治体が認可した私立の通信制高校に在学する生徒の保護者です。助成額は「就学支援金等(国の制度)と合わせて、最大で33万7,200円まで」で、在学校の授業料額(保護者が負担した金額)が上限です。国の就学支援金で授業料が全額補助される場合は、この助成金は0円になるため申請は要らないとされています。入学金、施設整備費、通学の交通費、サポート校・技能教育施設等の受講料は対象外です。

助成を受けるには毎年度の申請が必要で、年度をさかのぼって申請することはできません。令和8年度の申請は「例年と申請時期が異なります」とされ、申請時期や手続きの方法は決まりしだい案内すると書かれていました(取得 2026年11月2日時点)。対象になりそうな人は、東京都のページと在学している学校の案内で、令和8年度の申請時期を確かめてください。

住んでいる県の調べ方

東京都以外の道府県の上乗せは、このサイトではまだ確かめていません。都道府県によって、上乗せの有無、対象の学校、所得の要件、申請の時期が違うため、各都道府県で確認が要ります。

調べるときは、文部科学省のページにある「私立高等学校における就学支援金のお問い合せ先一覧」(公立は「公立高等学校における就学支援金の問合せ先」)から、住んでいる都道府県と、学校がある都道府県の担当窓口を探します。上乗せの制度は、住んでいる都道府県の制度か、学校がある都道府県の制度かで要件が違うことがあります。

もう1つの方法は、学校に聞くことです。学校の学費のページに、その県の授業料減免や上乗せの制度を書いている学校もあります。資料請求のときに「住んでいる都道府県の上乗せの制度で、この学校が対象になるものはあるか」と聞くと、学校が把握している制度を教えてもらえることがあります。

申請の流れ:入学後に学校から案内が来る

就学支援金は、申請して受給資格の認定を受けないと支給されません。文部科学省Q&A(問9・問10)によれば、申請書などの書類は入学説明会のときや入学後に学校から配られ、手続きの方法や提出する書類、提出先、提出期日は学校や都道府県によって違います。

e-Shien:令和8年度は日本国籍の生徒がオンラインで申請できる

文部科学省のページは、「令和8年度に限っては、日本国籍の生徒について、オンラインによる申請が可能となります」と書いています。オンライン申請の仕組みは「e-Shien(高等学校等就学支援金オンライン申請システム)」で、ログインには学校から配られるID・パスワードが必要です。

ただし、学校によってはオンライン申請に対応していない(紙の申請だけを受け付けている)場合があります。都道府県ごとに申請方法も違うので、学校からの案内に従います。令和8年度のオンライン申請は日本国籍の生徒が対象とされているため、日本国籍以外の生徒は、国籍・在留資格を確かめる書類を付けて紙で申請する形が事務処理要領に書かれています。

文部科学省のページは、プライバシーへの配慮が必要なので、オンライン申請の場合も自宅で手続きをするよう案内しています。e-Shienの申請者向け利用マニュアルは「共通編」「新規申請編」「変更手続き編(在校生受給資格確認)」の3つに分かれ、入学・転入のときの手続きと、在学中の確認の手続きが別になっています。

申請した月からの支給と、在学中の手続き

文部科学省Q&A(問9)は、原則として就学支援金の支給は申し込みが行われた月から始まると書き、提出期日に遅れないよう注意を促しています。提出が遅れそうな場合や遅れてしまった場合は、学校や都道府県に相談するよう書かれています。入学の手続きのあとに来る書類は、早めに出してください。

在学中にも手続きがあります。たとえば休学で支給を止めたい場合は支給停止の申し出を学校に出します(文部科学省Q&A・問14)。転学する場合は、転学元の学校で受給資格を消滅させ、転学先の学校で改めて申請します。そのとき、転学元の学校がある都道府県から出される「受給資格消滅通知書」か「支給実績証明書」を付ける必要があります(事務処理要領 PDF 29ページ)。同じ学校の中で全日制から通信制に課程を変える場合も、改めて申請が要るとされています。

申請をしなければ、生徒は就学支援金を受けられず、学校は通常の授業料を集めることになります(事務処理要領 Q6-3)。とくに通信制課程は生徒が学校に来る機会が少ないため、要領は都道府県と学校に、知らないことや勘違いで受け取れない生徒が出ないよう周知するよう求めています。案内が来ないと感じたら、自分から学校の事務室に聞いてください。

資料請求のときに学校に聞く5つのこと

就学支援金のしくみが分かっても、最後に払う額は学校ごとの学費表で決まります。学費表だけでは分からないことも多いので、資料請求や個別相談のときに、次の5つを聞いておくと比べやすくなります。

  1. 1単位の授業料はいくらか、年に何単位を履修する前提の学費表か(13,668円を超えるか、30単位を超えるか)
  2. 学費表の金額は就学支援金を引く前か後か、何年度の金額か
  3. 就学支援金は入学時に先に引くか、いったん払ってあとで戻るか(戻るなら、いつ戻るか)
  4. 授業料以外に毎年かかる費用はいくらか(施設費・教材費・スクーリング・コースやサポート校・技能連携校の費用)
  5. 転入・編入の場合、前の学校の在学月数と履修単位で、支給期間と対象単位がどれだけ残るか

この5つを2〜3校に同じ形で聞くと、「授業料の部分」と「授業料以外の部分」を分けて比べられます。就学支援金で授業料の差が小さくなった分、学校選びの比べどころは授業料以外の費用と、通い方・サポートの中身に移っています。

資料請求は、気になる学校の公式ページなどから申し込めます。届いた学費表や募集要項に、上の5つの答えがどこまで書かれているかを見て、足りない分を学校に問い合わせると効率よく比べられます。不登校や転校を考えている場合は、学校の資料と合わせて、学び直しや家庭学習の支援をしている機関の無料相談・無料体験を使う方法もあります。どの学校に決めるかの前に、まず2〜3校の資料をそろえて、上の5つを同じ形で書き出してみてください。

このサイトに載っている学校の学費の記載は、学校ごとのページで出どころと取得日つきで見られます。たとえばキラリ高等学校・千葉県立千葉大宮高等学校(通信制の課程)・N高等学校のページがあります。広域通信制の学校をまとめて比べるなら広域通信制の比較表、狭域通信制なら狭域通信制の比較表を使ってください。数字の写し方は通信制高校データブックの編集方針(数字の出どころ・学費・卒業の人数・広告の扱い)に書いています。

まとめ

通信制高校の就学支援金は、2026年度(令和8年度)から所得制限がなくなり、私立は定額なら月28,100円(年337,200円)、単位制なら1単位13,668円(年30単位・通算74単位まで)、公立は月520円か1単位336円が上限です。支給は授業料の範囲内で、支給期間は48か月です(文部科学省)。

単位制の学校で払う授業料の残りは、「1単位の授業料と13,668円の低いほう×履修単位数」を授業料の合計から引いた額で決まります。入学金・施設費・教材費・スクーリング・サポート校の費用には支援金は使えません。支援金を先に引くか、あとで戻すかも学校ごとに違います。

転入・編入では、前の学校の在学月数で支給期間が短くなり、年度の途中の申請は申請した月からの支給です。資料請求のときは、上の5つを学校に聞いてください。このページは、制度や資料が変わったら数字を直し、更新日を改めます。

よくある質問

Q. 通信制高校の就学支援金に所得制限はありますか?

ありません。2026年度(令和8年度)から、高等学校等就学支援金の所得制限は撤廃されました(文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」・政府広報オンライン)。国籍・在留資格などの要件と、在学期間・単位数の上限は残っています。

Q. サポート校の費用に就学支援金は使えますか?

使えません。文部科学省の「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」は、サポート校は就学支援金制度の対象ではなく、通信制高校の授業料が対象になると答えています。サポート校や技能連携校の授業料は、学校の学費表でも別の欄に分けて確かめてください。

Q. 公立の通信制高校は授業料がかかりますか?

授業料はかかりますが、2026年度の就学支援金の上限は公立の通信制で1単位336円(定額なら月520円)です。千葉県立千葉大宮高等学校や埼玉県の県立高校の通信制課程は授業料を1単位330円と書いており、上限の範囲内です。ただし学校によっては先に授業料を納め、あとで支援金が振り込まれる方式があります。

Q. 全日制から通信制に移ると、支給期間はどうなりますか?

文部科学省のQ&Aでは「48月-全日制の在学月数×4/3(端数切り捨て)」で計算します。たとえば全日制に20か月在学してから通信制に移ると、48-26=22か月分が通信制での支給期間になります。

Q. 就学支援金はいつ、どうやって申請しますか?

入学後に学校から申請の案内と書類が配られます。2026年度(令和8年度)は、日本国籍の生徒はオンライン申請システム「e-Shien」で申請でき、ログインIDは学校が配ります。学校によっては紙の申請だけの場合もあるので、学校の案内に従ってください。

Q. 外国籍でも受けられますか?

日本国内に住所があり、日本国籍のほか特別永住者・永住者・日本人の配偶者等などの国籍・在留資格の要件に当たれば対象です。新制度の対象外になる場合も、在校生は経過措置、新入生は「高校生等・新修学支援」で、所得に応じて旧制度と同等の水準の支援を受けられるとされています(文部科学省Q&A)。

Q. 就学支援金はいつ振り込まれますか?

就学支援金は家庭には振り込まれず、学校の設置者が生徒に代わって受け取り、授業料に充てます(文部科学省Q&A)。学校によって、入学時に支援金の見込み額を先に引いて請求する方式と、授業料をいったん全額納めて支援金相当額があとで戻る方式があります(文部科学省の日本国籍の方用リーフレット「後日還付する場合があります」)。たとえば千葉県立千葉大宮高等学校は年度末に申請書の口座へ振り込むと書き、N高等学校は転編入生について、学費を全額納入し支援金は国の支給時期に合わせて後日還付すると書いています。戻る時期は学校に確かめてください。

Q. 年度の途中で通信制に転学したら、その月の分は出ますか?

文部科学省の事務処理要領(新制度 第1版)では、年度の途中に申請した場合、申請した月から支給し、その月の初日に在学していない場合は翌月からとされています。やむを得ない理由がある場合を除いてさかのぼっては支給されないため、転学先の学校には入学の手続きと同時に申請の時期を聞いてください。

合同会社エクラモ 編集部
通信制高校データブック 編集担当
合同会社エクラモの編集部です。このサイトでは、文部科学省の公開データと各校の公式ページ・公開資料から数字を写し、出どころの URL と取得日をページごとに書いています。学校の記載が無い項目は空欄のままにしています。