漫画「岸辺露伴は動かない」の感想や口コミ、レビューは?【ネタバレ注意】

岸辺露伴は動かないの表紙画像

  • 2018年11月9日更新
    • 記事をリライトいたしました

ジョジョの奇妙な冒険といえば荒木飛呂彦先生。
荒木飛呂彦さんと言えばジョジョの奇妙な冒険。

しかし、ジョジョの奇妙な冒険をってどっから読んでいいのかわからないし、荒木飛呂彦さんの作品を味わえるオススメのマンガってないの?ってちょっと考えちゃってませんか?
いやいやいや、実はあるんですよ、荒木飛呂彦さんの短編マンガが!

そう!それこそが、荒木飛呂彦さんの短編漫画「岸辺露伴は動かない」です。

とりあえず、ジョジョと荒木飛呂彦を知りたいなら、『岸辺露伴は動かない』を読んどけって叫びたいっ!!

こんにちは!求人&サイト担当のセキネです。
いやー本当最近知ったんですけどね、敢えて新参物のセキネが語るのもおかしいんですが、これ、相当味わい深い1作品。

また読んでない、手に入れてないって人ありえないですよ 笑
漫画にかける情熱を漫画家の視点に立って表現した作品、それが『岸辺露伴は動かない』!!

作者は、『ジョジョの奇妙な冒険』でおなじみの荒木飛呂彦先生.

『ジョジョの奇妙な冒険』について
ジョジョの奇妙な冒険は、週間少年ジャンプで1987年から(2017年現在も続いている)掲載されている伝説的バトル漫画。

単行本のシリーズ累計発行部数は1億部以上。

『ジョジョの奇妙な冒険』といえば、映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』が、8月4日に公開されます。
ただ、原作が漫画の実写化って失敗も多いですよね。

ジョジョラー(ジョジョの奇妙な冒険のコアなファンのこと)にとってもそれは同じ。
期待と不安が入り混じっていることでしょう 笑

ジョジョの奇妙な冒険、ダイヤモンドは砕けない

画像引用元:ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第一章公式サイト

ただ、映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の監督・キャストは超豪華!!
監督は、『クローズ』『着信アリ』などで有名な三池崇史監督。

キャストは、山崎賢人(役:東方仗助)伊勢谷友介(役:空条承太郎)神木隆之介(役:広瀬康一)岡田将生(役:虹村形兆)など。
監督・キャストは日本映画のトップたちで固められています。

本当スゴイ!!力入ってる~!!
作者の荒木飛呂彦先生もジャパンプレミアにて

「完成度の高さは、皆さまの予想を超えてきます」
(アメーバニュースより)

とジョジョラーの不安をかき消して映画を絶賛。
荒木先生が太鼓判を押しているのできっと映画はヒットするでしょう。

そこで本題です!!
今話題の『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』を知る上で欠かせないのが『岸辺露伴は動かない』。

どうしてかというと・・・

岸辺露伴は、今回の映画の原作となったシリーズ『ジョジョの奇妙な冒険 第四部 ダイヤモンドは砕けない』の人気キャラクターだからです。
今回の映画では登場しないそうなんですが、第二章以降のシリーズ化になればきっと登場してくることまちがいないというぐらいの重要人物。

それに加えてこの岸辺露伴 ふつうのキャラとは扱いが大きくちがうんです。
岸辺露伴は荒木先生自身をモデルにしたキャラと言われています。

そんな大注目の作品である『岸辺露伴は動かない』を読めば、

  • 映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』をさらに楽しめる
  • 荒木飛呂彦先生をくわしく知れる

ということで今回は、『岸辺露伴は動かない』について紹介していこうと思います。

「岸辺露伴は動かない」ってどんな漫画?

岸辺露伴は動かない

出典元:岸辺露伴は動かない 荒木飛呂彦 3ページ

岸辺露伴は動かない
連載時期1997年~
作者荒木飛呂彦
出版社集英社
巻数1巻
発売2013年
エピソード数8(一話完結)

1年ぶりの新作「エピソード#9 D・N・A」が少女マンガで掲載

『岸辺露伴は動かない』は、一話完結型の短編集。
1997年に初めて掲載され現在まで7つのエピソードがあります。

今回の映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』に合わせて『岸部露伴は動かない』の新シリーズ「エピソード#9 DNA」が、1年ぶりに掲載されるんですよ!
掲載される漫画はなんと少女マンガ雑誌 別冊マーガレット。

まあ、映画版ジョジョとの相乗効果を期待しているのでしょうけど・・・
正直このニュースを聞いたときは、「えっ、少女マンガで・・・マジで。」って思っちゃいました。

今まで少年誌で掲載していたので少し?と思っちゃいますが、視点を変えてみることもできます。

「映画版ジョジョのターゲットは女子小中校生かも?」

荒木先生やっぱただ者じゃありません。
なにか理由がないことはしないはずです。

そんな荒木先生の性格を考えると映画版のターゲットを女子小・中・高校生に設定してるかも考えれるんです。
他にも、ジョジョ4部とWEGOがコラボしてTシャツ出したり、今回掲載する別冊マーガレットの付録にステッカーを付けたりと本当に色んなチャレンジをしているんですよね。

荒木先生・・・面白すぎますっ!

さて、本題の「岸辺露伴は動かない」について迫ってみますよ!

『ジョジョの奇妙な冒険 第四部ダイヤモンドは砕けない』の人気キャラ岸辺露伴がナビゲーターとなって不思議な話を紹介していきます。
『ジョジョの奇妙な冒険』は、ゴリゴリのバトル漫画でシリーズ物。

この『岸辺露伴は動かない』は、ジョジョでは伝えきれない心の動きを中心に話が展開され一話完結型。
なので、ジョジョを知らない人も気軽に読むことができるんですよね。

岸辺露伴=荒木飛呂彦といわれているように、荒木先生がジョジョでは語れない漫画にかける熱い想いがこの『岸辺露伴は動かない』から伝わってきます。
ジョジョラーなら必読の作品といったところ。

スピンオフ禁止から『岸辺露伴は動かない』が生まれた!!

『岸辺露伴は動かない』が始まるきっかけは、編集部からの短編漫画の依頼。
当時、週間少年ジャンプに連載していた人気作家10名にも同じように短編漫画の依頼がいっています。

荒木先生に出された条件は、

  • スピンオフ・外伝は禁止
  • 読みきり49ページ

というものだったんです。
荒木先生も編集部からの条件にしたがって、最初は露伴抜きで短編を作ったそうなんです。

ただ、「香りのない食事みたい」と感じ、話に深みが出ていないことに悩んだそうなんですよね。

そこで登場させたのが、岸辺露伴。
露伴の視点から物語を解説することで話が深まり、こんしんの『岸辺露伴は動かない』が誕生したんですよ。

出典元:岸辺露伴は動かない 荒木飛呂彦 55ページ

怨霊に取り憑かれてもあきらめず

孤独に人生を前向きに生きる男・・・

彼は悪人だと思うがそこのところは尊敬できる・・・

そう思うのはぼくだけかもしれないが・・・

エピソード#6の最後のセリフなんです。
こんなセリフ露伴じゃないと決まりませんし、この言葉があるから終わりもステキ。

編集部からダメって言われてるのに、

「漫画をよくするために」

と考えて反則技の露伴を登場させる。
条件全く無視して描いちゃうんだから本当おもしろい!!

露伴の魅力が設定も変えてしまう

はじめは、漫画タイトル『岸辺露伴は動かない』の「動かない」ということからわかるように、露伴はナビゲーターという役割でした。

露伴はあくまで脇役。

ただ、エピソードが進むにつれて露伴が話の中心に。
露伴=荒木先生だし、露伴が漫画家ということで、自分の伝えたいことをストレートに伝えることができるということもあるんでしょうね。

ジョジョでは見せない姿も見せています。
必死になって仲間を助けたり、ピンチに立ち向かっていったりといつの間にか露伴の魅力に引き込まれてしまっていました。

岸辺露伴の魅力が漫画の設定を変えてしまったんでしょうね。

岸辺露伴ってどんな人!?

岸辺露伴ってどんな人?

出典元:岸辺露伴は動かない 荒木飛呂彦 5ページ

1979年生まれ。血液型B型。

16歳の頃から週間少年ジャンプで『ピンクダークの少年』を掲載。

孤高の天才漫画家で超絶速筆という技を持っていて、19ページの作品を4日で仕上げてしまう。(あんまりわかりませんね 笑)

人付き合いは苦手で、相手を見下す言動が多い。

漫画にかける情熱にあふれ、おもしろい漫画を描くための体験には手段は選ばない冷酷さをもつ。

自身の作品へのリアリティを追求するあまり、クモを食べるなどの奇行が目立つ。

変人。

身近にいたら絶対浮いてる!
でも、おもしろいから人がついていくそんな雰囲気の人物ですねー!

岸辺露伴のスタンドは「ヘブンズ・ドアー(天国への扉)」

スタンドとは、持ち主の傍に出現してさまざまな超常的能力を発揮し、他人を攻撃したり持ち主を守ったりする守護霊のようなもの。
その姿は人間に似たものから動物や怪物のようなもの、果ては無機物まで千差万別であり、一言で言えば超能力が具現化したものである。

ヘブンズ・ドアー発動時に出てくるキャラは露伴の漫画「ピンクダークの少年」の主人公。

「ヘブンズ・ドアー(天国への扉)」を使うと相手の記憶を読み取ったり、相手の記憶に情報を書き込んだりすることができ、相手の記憶や行動を操ることができるるんですよ。

なんて都合のいいスタンドなんだ・・・。
そして岸辺露伴の名言(迷言??)がなかなかしびれます 笑

岸辺露伴の名言

岸辺露伴は、外見だけでなく言葉もインパクトがあり名言連発です。
岸辺露伴を知るのに役立ちますし、とにかくカッコイイ!!

「だが断る」

岸辺露伴の一番名言でジョジョラーの心に一番強く残っている名言です。
岸辺露伴は、敵スタンドの攻撃により体中の『養分』を吸い取られ、生命の危機に瀕していました。

身代わりを出せば助けてやると言われた時にはなった一言。
自己中心的な性格にもかかわらず、どんなときも誇り高くふるまう。

そんな男らしい姿にジョジョラー達は強くひかれるのでしょうね。
露伴は、「この岸部露伴が最も好きな事のひとつは、自分で強いと思ってるやつに『NO』と断ってやる事だ…」と言っています。

なにものにも屈することない鋼のメンタルがこの「だが断る」にあらわれています。
漫画作りとも共通する露伴の強い想いが感じられますよね~。

この岸辺露伴が金やちやほやされるためにマンガを描いてると思っていたのかァーーーーッ!!

読んでもらう読者のことを一番に考えていることが表れた名言。
この言葉はきっと荒木先生の心の叫びでもあるでしょう。

「リアリティだよ」

リアリティだよ

出典元:岸辺露伴は動かない 荒木飛呂彦 65ページ

露伴は嘘やごまかしでなくリアリティを何よりも大事にしています。

「リアリティこそが作品に生命を吹き込むエネルギーでありリアリティこそがエンターテェイメントなのさ。」

漫画家としての枠に収まりきらず、芸術家(アーティスト)と呼ぶべきこだわり方。

「露伴=いいヤツ」っていうことがわかる言葉です。

『岸辺露伴は動かない』各エピソードのあらすじ

では、『岸辺露伴は動かない』本編の各エピソードのかんたんなあらすじを紹介していきましょう。

エピソード#16懺悔室

エピソード#16懺悔室

出典元:岸辺露伴は動かない 荒木飛呂彦 7ページ

東方仗助との闘いで負傷した露伴は漫画を描けないため、新しいストーリー取材のためイタリアのヴェネツィアに行きます。
取材のため教会に入った露伴は懺悔室での神父と信者とのやり取りに関心をひかれます。

自分の罪を告白する信者になってみようと考えた露伴は懺悔室に入ります。
すると、もう片方の懺悔室から「神父様、私は罪を犯しました。告白します。」との声。

露伴は間違えて、神父の部屋に入ってしまったのです。
「この人の体験はマンガにリアリティを与える」と露伴は考え、神父のフリをして信者の話を聞きます。

すると、信者の告白は恐怖・殺人・裏切りといった人の怨念が詰まった恐ろしい話だったのです・・・

エピソード#02六壁坂

エピソード#02六壁坂

出典元:岸辺露伴は動かない 荒木飛呂彦 57ページ

物語は露伴が女子大生の大郷楠宝子について語ることから始まります。
彼女は六壁坂村で300年続く味噌作りで財を築いた一族の一人娘。

令嬢ということでもちろん親に決められた由緒正しい家柄のフィアンセがいました。
しかし、彼女にはフィアンセとは別の遊び相手がいました。

大学を卒業するとフィアンセと結婚することが決まっていた宝子は遊び相手に別れを切り出します。
「別れてほしい」と楠宝子が切りだすと郡平は抵抗します。

宝子は郡平を振り払おうと力いっぱい彼を押し返します。
はねのけられた衝撃で郡平は頭をゴルフクラブにぶつけ、大量の血を流して倒れます。

郡平を心配して状態を確認すると、郡平の脈はなく死んでしまったのです。
しかし、大量の出血は止まらない。

そこに父親がフィアンセを連れて帰ってくる。
宝子は、どうなってしまうのか。

そして、郡平には隠された秘密があったのでした・・・。

エピソード#05富豪村

エピソード#05富豪村

出典元:岸辺露伴は動かない 荒木飛呂彦 121ページ

露伴は、漫画編集者の泉京香との読み切りの打ち合わせで富豪村という謎の村のことを知ります。
富豪村という名前の通り、住人はみな大金持ち。

どの住人も生まれは普通の家庭。
しかし、25歳の時にこの山奥の村に家を買ってから成功しだすということが共通しているとのこと。

この事実を知ると露伴は好奇心がうずきだし、泉と共に村に行くことになります。

エピソード#06密漁海岸

エピソード#06密漁海岸

出典元:岸辺露伴は動かない 荒木飛呂彦 169ページ

杜王町のアワビは世界的に見ても貴重なもので、海岸の所有者がどこにも売り出していません。
露伴は行きつけのイタリアンレストランの料理人トニオ・トラサルディーにクロアワビを密漁することを手伝ってほしいと頼まれます。

トニオには、法を犯してまでも伝説のクロアワビを手に入れる必要があったのです。
トニオの揺るがない言葉になにかを感じ取った露伴は密漁を手伝うことを決めます。

岸辺露伴グッチへ行く

岸辺露伴グッチへ行く

出典元:岸辺露伴は動かない 荒木飛呂彦 217ページ

露伴は、祖母の形見のグッチのバッグを直してもらうためイタリアのフィレンツェにあるグッチの工房を訪れます。
バッグは不思議なことにお金を入れると消えてしまうのです。

グッチの職人は、バッグを直すことに難色を示しますが、しぶしぶ修理を引き受けます。
露伴は後になってそのバッグに隠された秘密を知ることになります。

「岸辺露伴は動かない」まとめ

岸辺露伴には、荒木飛呂彦先生の漫画に描ける想いや理想が詰まっています。
ジョジョでは伝えきれないことを『岸辺露伴は動かない』に描かれています。

この『岸辺露伴は動かない』を読んで、映画版のジョジョや漫画の『ジョジョの奇妙な冒険』を楽しんでください!!

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